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〈私の〉オブジェ・トゥルヴェ12/6 ★その2-フクシノリオの真相へ-

  • yumiko segawa
  • 2025年9月28日
  • 読了時間: 7分

〈私の〉オブジェ・トゥルヴェ12/6 ★その2

-フクシノリオの真相へ-


「あなたとお付き合いしなくて良かったです」

から約2年。


懲りずに作曲家の福士則夫先生にお付き合いいただいております😊✨私の今の“職業”は先生に心を開いていただくこと。たくさん開いてくださいました✨そうした道のりも、なかなかに月日を経て…そうして得た「糧」が、今、私の筆から流れ出てきている📝


でも、「音」はまだまだだ…


今度は、私の心がどんどん開かれていくところへ🪽まだ先生は、50年前の「演奏不可能」として閉じ込められたこの作品を一度も耳にされていない。早くお聞かせしたいけど、まだちょっと待って状態🐾 


-  秋はじっくり行こう🍂


だいぶ涼しくなってきて、長袖の季節になってきましたが、こちらの写真は春のこと。先生はあちらから、私はこちらから。🚗で某レストランにて「大切な資料」を受け取らせていただきました。先生はBMVで颯爽と、私は下手ぴながら一生懸命運転して。電車では、郵送ではとてもセンシティブで受け取ることのできない秘蔵の大判のオーケストラ作品やスケッチの数々。


芸大卒業オケ作品:スケッチ

芸大院修了オケ作品:スコア

コンクール提出オケ作品『抒情的二章』(1970):スコア

『感応(1971)』:スケッチとスコア

『Zone(1972)』:スケッチとスコア


特に、先生の22歳は「暗い森🌳🌳🌳🌳🌳Selva Oscula」のなかで、もがいていらした時期だから、もちろんオフレコのお話もある。


某コンクールで提出されたオケの『叙情的二章』、盟友でいらっしゃる池辺晋一郎先生はよくご存知のはず。録音もスコアを見ながらこっそり聴かせて頂きました。こんな溢れんばかりの叙情性を仕舞い込まれていらっしゃるのだから、フクシノリオはよっぽど「内気な」人間に違いない…🧐


こんな私に、ふと「こんなものもある」って、未発表のピアノ大作『5つの断片(1967)』のことを切り出されてしまって、今もきっと眠れない日々をお過ごしでしょう。でも私は先生の秘密はちゃんと守り通しますし、“出しても”良いのでしたら、全力で頑張る、覚悟なのです🥹🔥


矢代秋雄、三善晃、八村義夫、諸井誠、池内友次郎…

歴史上のすごいお名前ですが、20歳前後の福士先生が芸大時代に影響されたり師事された作曲や和声の先生方。


先生のこの頃の作品には、ドイツ語で題名を書かれたり翌年にフランス語で題名を付けられたりする。ドイツだ、フランスだ、とはあまり線引きはしたくないけれど、小学校の頃からフランスの方向で学ばれてきた福士先生にとっては、ドイツの方向の芝生が青く見えたようです。


何より、ブーレーズは「フランス人」なのだろうか?🤔

ブーレーズの🇫🇷自負の数々の言葉だけを鵜呑みにしていると、色々と見誤ってしまう。

ブーレーズの「人付き合いの良さ」と「牽制」「実直さ」「孤独」のバランスをよく見極めることは、私にも深い気づきを与えてくれる。


どうかブーレーズを見誤らないで、見誤らないで…


私の頭の中はブーレーズとの照応関係でいっぱいだったので、どうしてもその色眼鏡で、福士先生との共通にあることを探しては、たくさんご質問してしまう。先生の大学卒業以降のデビュー時の60年代末、70年代、ダイレクトにフランスの事情が芸大に入ってきているかわからないけれど、福士先生は、ブーレーズも「進行中」の最中、セリーの世界での守備一貫した拡張への探究から音響性の探究にすでに乗り出していた頃、同時にバイロイトデビューに、BBCにニューヨークフィルの音楽監督に就任しいよいよ指揮活動が忙しくなってくる頃と、ちょうど重なる。


前回お話した、とてもブーレーズとよく似ている「コード・ミュルティプル(コード乗算法によってできたコード群)」についてもしかり。


さて、このタイミングで1973年に渡仏された福士先生。

でも、先生はメシアンのことで頭がいっぱい。


先生とは、「メシアン」を通して対話をすることが、効果的なのです✨


そう、先生は決して、「うん」なんてお返事されない🥹じっと目を見て聞いてくださった後に、まったく違う話をされる…


そう、これが程よい先生との「噛み合わなさ」なのです🤭


私は先生ご自身のお話をお聞きしたかったのに、先生は、ご自身の「先生方」のお話を一生懸命してくださる。


今回演奏させて頂くピアノ曲『5つの断片』は、5曲からなる、それぞれ意味深な題名が付いています。


I   H

II  技法について

Ⅲ  S,B,W

Ⅳ  Y

Ⅴ  P-B


これらは、先生がもがいていた時代に、福士則夫が自在を得るために、先生に天啓を与えた人や技法の名前。


I  八村義夫氏へ

II  12音技法について

Ⅲ  シェーベルク、ベルク、ウェーベルン

Ⅳ  矢代秋雄氏へ

Ⅴ  ピエール・ブーレーズ


余計なこと色々また聞きすぎちゃったかしら、先生が甲羅の中に入ってしまったらどうしようと帰りがけにモジモジしていたら、

翌日に

「あれはね、」ってやおらお返事をくださる。


そうしてできた往復書簡をまとめて、はぁ☺️ってなったところで、『5つの断片』のスコアをマジマジとまた眺めてみる👀


先生の2000年の『とぎれた記憶』でも

『RESONANCE』シリーズでも、とてもピアノの音響性を最大限に共鳴効果でコードの色彩を存分に響かせようとしていらっしゃるわけですが、この『5つの断片』にも随所に、大胆に共鳴効果が散りばめられています。


先生は、5曲目の時、ブーレーズの「第2ソナタ」というより、「第1ソナタ」の方を見ていらしたそう。足跡は見て取れるものと、見失うものが色々ありけりです。12/6も、先生の『5つの断片』を前半の最後に弾いた後に、後半の初めに、ブーレーズの『第1ソナタ』を演奏します。


この「繋ぎ目」、とっても重要🥹✨


さて日本には、🇨🇭スイスのバーゼルに行かずともパウル・ザッハー財団があるのですね。


「日本近代音楽館」


惜しくも今年亡くなられた音楽学者の岡部真一郎先生が副館長でいらしたことはここに明記します🙇‍♀️🍀大事な先生がどんどんいなくなられます。


それにしてもこの難曲の発掘・世界初演にやる気になってしまった私。どうぞ勘違い女郎と呼んでください🙋‍♀️

先生の戦友であり長年の福士マジック実現者でいらっしゃるフルートの名手小泉浩氏でもある訳で

もなしに…


そう、昨年の福士則夫先生個展で録音でしたが会場で披露された小泉先生が初演された超難曲『フォーマルハウト』も『5つの断片』と同じ1967年の作品。


この勘違い女郎の57年ぶりの「発掘」世界初演によって、


「あなたとお付き合い“しなければ” 良かった」


の大逆転劇にならなければ良いのですが😂🙏

この寡黙な先生から慎重に聞き取り調査から開始した軌跡をすべて皆さんにお聴き届け頂けますように。


もちろん、冒頭の「あなたとお付き合いしなくて…」は、福士則夫先生独特のとてもジェントルな言い回しで、本番のあと、ほんの少しだけ褒めて労ってくださった一癖メッセージです😂

(お付き合いってリハーサルのこと。)


福士先生は、私にブーレーズのソナタの演奏についてたびたび面白いコメントで刺激してくださった唯一の先生。私は何かと先生にブーレーズのことでは相談しておりました。


そこで、「断片」のことが話題になったときに、先生はふと瀬川の前で口を滑らせてしまったのです。


ちょっと「音」が聞こえない投稿になってしまったかしら。先生と私のひそひそ話だけで…🗣️


p.s.

・ 10/30 ヴォクスマーナさん定期演奏会

「WAJIMA」@豊洲シビックセンターホール


・ 11/11 山澤書さんチェロリサイタルにて、

先生の娘さん(同い年♡)の福士マリ子さんとの

"COLLISION. (vc &fg) @豊洲シビックセンターホール


の先生の新作の行程についても実はお話伺っているのでその件もまた😇


---


▪️瀬川裕美子segaway-project瀬川裕美子ピアノリサイタルvol.11 「ひとつの詩のはじまりーソナタからアンシーズへー」mibextid=wwXIfr

「ひとつの詩のはじまり」

〈私の〉オブジェ・トゥルーヴェobjet trouvé

-ソナタからアンシーズへ-

▪️2025年12月6日(土)15時開演@TOPPANホール


🎫トッパンホール・チケットセンター


◽︎program◽︎


・P.ブーレーズ:ピアノソナタ第3番(1955-63)

P.Boulez: P.Boulez: Troisième Sonate pour piano

ーフォルマント1:アンティフォニー(断片)より

Formant 1: Antiphonie (fragments)

Antiphonie I.II, SigleI.II, Trait initial

ーフォルマント2:トロープ

Formant 2: Trope

ーフォルマント3:コンステラシオン

Formant 3: Constellation»


・P.ブーレーズ:スケッチの断片(1987)

P.Boulez: Fragment d'une ébauche


・福士則夫:5つの断片(1967)世界初演

Norio Fukushi: Five Fragments for piano

I    H

II   技法について

Ⅲ   S.B.W

Ⅳ   Y

V    P-B


・P. ブーレーズ:ピアノソナタ 第1番(1946)

P.Boulez: Première Sonate pour piano


・J.S.バッハ:フーガの技法 BWV1080より

「3つの主題によるフーガ」(断片)

J.S.Bach: Fuga a 3 [4] Soggetti BWV1080/19


・P.ブーレーズ:天体の1ページ(2005)

P.Boulez: Une page d' éphéméride


・W.A.モーツァルト:ロンド K.494

W.A. Mozart: Rondo K.494 F Dur


・P.ブーレーズ:アンシーズ(1994/2001)

P.Boulez: Incises

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