ボンズ著『ABSOLUTE MUSIC』原書を読み解く読書会

 

 

備忘録 その1

学芸大学・音楽私塾☆Buncademyにて
近藤譲先生の《第3期 原書購読講座》始まりました!今一度、古代ギリシャに遡って「絶対音楽」を考え直そう!\(^-^)/
読書会、少人数、和気あいあいゼミ★乗り越えなきゃいけない壁もありつつ、先生の話が面白すぎる。

 

2014年書き下ろされたばかりのボンズ著 “ABSOLUTE MUSIC”要するに「絶対音楽」。今回は古代ギリシャ‐アリストテレス達の哲学まで遡って、第2章。あくまで“聴く”行為を検証する、新しいものの見方に触れています。

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今でも根強いピタゴラスによる神のように崇められた数の理論、プラトンの主張する理想世界(isomorphic resonance「同型共鳴」…宇宙の形、星座の円形軌道と音楽の響きは等しいとの考え方)。それが徐々に脅かされていく…まずはその過程から始まります。ダンスタブルが大陸に持ち込んだ3度が、ピタゴラス比率では濁ってしまう。重さも、それに比例するものではない!?
 

それに対して、後に退けられてしまったアリストテレスの一番弟子、アリストクセノスがどうも真実の鍵を握っていそう。シチリアで歌手であったアリストクセノスが、実践の中でどうもピタゴラス比率では面白くない!?ことに気づいた…音を点、点で言わばデジタル的に認識するピタゴラス比率の、もはやその間にある数、音を、連続的に捉えようとする。音の響きの連続性の発見!微分、積分に繋がる世界。1オクターブを64で分けたその音なら、どの地方の歌も歌えるようになったという。現代における平均律の祖先?!と考えるとは、少し短絡的かしらと、先生の厳しいご指摘。
 

紀元5世紀にローマ帝国崩壊を受けて、これらのアリストテレスらの研究が失われてしまったことはその後の世界の見方に関わる大問題だった。古代ギリシャ文化と中世以降の歴史に大きな断絶が、資料なき隙間の時間があることはようく自覚していなくては…(/_;)/
 

アレクサンドリアの図書館が残っていれば…と、切実な思いにさせてくれたこの講義。
中世に入っても、未だプラトンの数の神秘主義は根強くアリストクセノスは退けられたよう。その後の音楽の歴史は変わったのかもしれない。日本の伝統音楽の“擦れる”感覚に通じるもの!

と、ここまでは古代ギリシャについての前提のお話。言葉と音楽の関係についてはこれからもっと深く。上記のことは、ある程度本の趣旨からすれば偉大なる先生の道草的なお話だけれど、そこが背景で読み進められることは幸せですね☆