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  • yumiko segawa

ヴァレーズ:オクタンドル物語 Jose Manuel López Lópezピアノ編曲版✨



4/23★ノリスとの第3ラウンド記。

だいぶ役者が集まってきた🎎 曲に溢れ返っているけれど、今日はJose Manuel López López編曲のVarèseのことへ繋げたい。


とにかく、やんごとないお方というのは、拍節感も身振りも優雅であることを実感しています🥹松平頼則さんは高貴なお方。

『ギターとチェンバロのための3つの小品』は、小節線がコンマ程度の薄描き手書き譜面✏️音にすると垂直線の凛とした厳しさと「間」のアンニュイ感と後ろ合わせであることを身体で確認。「やんごとない慣習」というものをまなぶ。それに呼応し、Jo Kondo『Orient Orientation』は「厳しい修行僧」から「優雅な影武者」に修正された!📝それが昨日のこと。演奏を聴いていただきたい✨


そしてここで「ハードコア」なものを持ち出したいのだけれど、こちらにも「高貴さ」「気高さ」は当て嵌まるのだろうか?🤔最近、私はこの方にも惹かれています・・・✨


「エドガー・ヴァレーズ!」

の、生誕140周年とは本年誰も声に出さない…‥のかしら🥹記念日好きには、良い口実になる^^なぜならその都度、心の中でも口にも出して「名前」を呼ぶ、馳せる!


—「オクタンドルOctandre 」!!


自分でその「音魂」を出せればなおも良い!その度に、甦る💪

ノリス・紀雄さんは、アンサンブル・ノマドの来る6/1の定期演奏会で指揮者として「8枚の花弁〜オクタンドル〜」のオリジナルを披露されます❗️

私も今秋、ヴァレーズの違う大作にピアノでかかわれる機会がやってきそうです!!^ ^


それはそうと、今回のギタピアニズムではピアノ1台で「ヴァレーズ:オクタンドル」を集約する方法で演奏させて頂きます。

今回の1人の主役でもある、ノリスさんの盟友:ホセ・マヌエル・ロペスロペスさんは、新編曲ご提供以外に、なんとこのオクタンドルピアノ1台編曲版を既に2001年にRICORDI社から出版していらっしゃる!


真っ赤なこの楽譜🔥


ヴァレーズをこの10本の指で🙌✨


今回のギタピアニズム公演でのロペスロペスさんとヴァレーズの接続というのも、「鉄工所のような雑音がスピーカーから放出される」そんなヴァレーズ魂が、今回のロペスさんのエレキギターとピアノによる新編曲『東京の風』に息づいていることをひしひしと感じている。なんと言っても内部奏法を豪快に!

今は絶賛工事中なので次回にでも✨


まずは、ちょっとヴァレーズを深めるために、気持ちわかる!👏✨びっくり、爽快な絶叫、このフランク・ザッパ ヴァージョンのOctandre‼️このyoutube 2:12〜6:35聴いてみませんか?😄 https://youtu.be/ilANiLJkufg

ザッパは13歳からヴァレーズのファンだったって・・・


もちろん、原曲Vareseの管楽器+コントラバスの8本による『オクタンドル』を確認の上で😂


しかし、こんなにテーマらしきものを「反復」「金縛り」または「絶叫」するだけで成り立ってしまうこのロック・ミュージシャン:ザッパのアレンジの凄さは、ブーレーズのヴァレーズ批判の「主題法の持つ重要性を的確に把握する能力不足」の言い得て妙!の言葉を良くも悪くも強調しているのかもしれないと思ったり🤔


だって、ヴァレーズの音楽にはブーレーズの大好きな演繹的な「主題の発展」の茂みがないのだから!!😂


ヴァレーズは、何かを有機的に発展させようという意志をかなぐり捨てて・・・


もちろん、この出だしのオーボエソロの旋律だけでなく、至る所で「空回りするレコードなように何度も反復する」ヴァレーズのお得意の手法は、発展しないが故に、止まった時間制の中で空間に音響の塊がまるで「凍りついた」ような発展だと言われる。


だけれど、この妙な凍りついた反復に、「ドモる」エネルギーというか、こちらも毎回、力を得させていただくような妙な気持ちになるのです!


—-この「反復」って、もしや立ち止まりながら毎回、「復活」してる?😬


オクタンドルの意味は、「8枚の花弁を持つ花」であるようだけれど、このうち、血管の浮き出る異様に逞しい1枚の花弁がクローズアップされているようにすら聴こえる、ザッパの反復絶叫。

バックのテンションの高い高速メタルサウンドが、ヴァレーズの「欲求不満の砂の中から湧き出る噴水」魂を肉迫しているようです🔥


それに加えて、行ったっきり、戻ってこない片道切符のヴァレーズの「音響の投射」「音響のビーム」も、拡張してここに入っているような気がして⚡️


戻ってこないサーチライトのようなこの光線は、なんというか、ある意味、近藤譲先生の線の音楽のように、「この果てに報われる✨」とか、そんな希望の時間性を見いださない点において、共通しているかもしれない。


時間が止まったかのような、でも、常に報われない数々の「沸騰」だけを露わにして。


数々の待望のプロジェクトが不発に終わったヴァレーズの人生のようにも思えてきてしまいます。でも、ここに、オクタンドルあり😭✨


ヴァレーズの「音魂」を、ピアノで10本の指で掌握できること、その実感と凝縮感はなかなか堪らないものです!( ; ; )

謂わば、「絶叫」の握り拳と、若い頃はほんの数小節の断片ばかり作っていたとのことだから、断片と断片の並列の中で苦し紛れに生きていくイメージが演奏サイドとしてあります😂

これがヴァレーズのいう「音響の空間移動」というものか、、


「素敵な金縛り」と呼んでみたいものです!


それにしてもこれが、いつも物質的でとっても即物的な素材を前提としている音楽だから、面白い!


ですがこれが今回、珍しいことにオクタンドルという「植物」のモチーフが題名になっているのがなお興味深いです。


だってヴァレーズさんは「鉱物」どちらかというと「石」の方でしょ?🤔ハードコアな🌋


でも、こんなことを考えてはどうだろう?


近藤譲先生は、決して理想郷のようなものは語らないのだけれど、ヴァレーズが時折語る「ユートピア」思考。ニュー・メキシコの荒涼とした大地、宇宙、砂漠はそのものだけでなく、「人の心の中の」砂漠についても語る。『砂漠』の映像担当をディズニーにお願いしたかったくらい、映像とのイメージをもっていたという。


だからというべきか、穿ち過ぎかもしれないけれど「鉱物-植物-動物-人間-天使」へ組換えていくノヴァーリス、ゲーテに連なる巨大な連鎖思考のドイツ自然哲学やらロマン主義的な面がほのかに漂ってくる気がするのです🥹このハードコアな人物に、なんとも言えないこの矛盾的な“複合”具合が、魅力かな。それは、ヴァレーズの若かりし頃の環境にも見出せるかも。。


さて、、


あと今回、ノリスはエレキギターサウンド🎸も披露してくださるのだから、これもザッパの伏線に?!ザッパさんがウェーベルンの何をお聴きだったかはわからないけれど、確かにウェーベルンも愛聴していたらしい。我々はエレキギターとピアノでもって、Webernの『ヴァイオリンとピアノのための4つの小品op.7』をヘビーに密に行く、お楽しみに🏄‍♂️✨


最後に、このオクタンドルのピアノ版についてもう一筆✏️

ヴァレーズがジョリベを弟子として認める前に、オクタンドルをピアノに編曲する試験を課したという逸話があります。ロペスロペスさんは、そうしたことを汲んで、このピアノ編曲版を残してくださった✨

とにかく驚くほどにこの8本の管楽器の可動域が見事に両手に収まっているのです!


「この編曲の作業は、ヴァレーズの音程や動機の個性的な扱い、強弱、曲の強い求心力を少しも害することなく、むしろ原曲の美しい構造をはっきり打ち出すものである‥」と、ロペスロペスさん。


実はこれは、2014年の“アベ&夏”先生の日仏指揮法講座で、指揮の受講生として私も振らせて頂いた曲。


ああ、あの時、出だしのオーボエソロパートに向かって、めちゃくちゃ降りまくった「超干渉的指揮者」を演じてしまったのも良き思い出。😂あれは即刻、退場ですね🚩


その時にこのロペスロペス版で伴奏して下さったのが、孤高のピアニスト石井祐輔さんでした。しかし孤高すぎて彼が今どこにいるのかほとんど誰も知らない‥🤔

そんな訳で、2014年からずっとこのピアノ版の楽譜を持っていて、石井さんのCDにも入っていて、ロペスロペスさんにいつかお会いしたいと思っていたら、なんとノリスの盟友でした!!😳


紀雄さんはついこの3月にスペイン🇪🇸に飛んでいて、ロペスロペスさんand奥様のマリア様にも対面でお会いしたばかり。

私もちゃっかり、昨年秋のノマド定期で来日されたロペスご夫妻とお会いしてオペラシティでちょこっとお茶までできて、今回の計画にも結びついている🍀ご縁に感謝です🍀

今は演奏断片の「動画」往復で、最後までお世話になります!


以上、オクタンドル物語でした!

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