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  • yumiko segawa

別様の作動2 in 1 in 2  ★ その5★ 〈BeethovenとBoulezの楽章破り〉



★別様の作動2 in 1 in 2★ その5


〈BeethovenとBoulezの楽章破り〉


①地続きの間隙

②間隙の地続き

③間隙と地続き


この3つの「ちがい」が自分の中で明確になった時にプログラムが決まり、今はその「ちがい」を演奏によって明確にしようとしています)^o^(


おかしい?それとも巧妙な仕掛け?😊というか巧妙を通り越して「違反」レベルかもしれない。。この楽章分断型プログラム。


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『ブーレーズ:第2ソナタ』別様の作動2 in 1 in 2

10/14sat.

【その1】プログラム

「双生の場所」:B×B…地続きの間隙・モザイク・透過」


・クルターク:8つのピアノ小品 作品3 

★ベートーヴェン:ピアノソナタ第29番 変ロ長調 作品106「ハンマークラヴィーア」から第1.2楽章

●ブーレーズ:ピアノソナタ第2番から 第1楽章

・福士則夫:とぎれた記憶(2000)

●ブーレーズ:ピアノソナタ第2番 から 第3.4楽章

     ・・・


★ベートーヴェン:ピアノソナタ「ハンマークラヴィーア」から第3楽章

・ブクレシュリエフ:群島Ⅳ(1970)

●ブーレーズ:ピアノソナタ第2番 から第2楽章

★ベートーヴェン:ピアノソナタ「ハンマークラヴィーア」から第4楽章

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でも、私はふたりのB本人からの逮捕状からではなく、「B」の信奉者と名乗る方々からの逮捕状から逃げ回っている🏃‍♀️💨

作曲家は許してくれても⁈Beeのファンはきっと許してくれないかもしれない、そういう意味です🥹


今回は、見ての通り、ベートーヴェンの『ハンマークラヴィーア・ソナタop.106』とブーレーズの『第2ソナタ』の2つの4楽章形式のソナタの楽章間を引き離し、トリガーとなる福士則夫先生:『とぎれた記憶』とブクレシュリエフ『群島Ⅳ』を挟みこみ、かつ、引き離した2楽章の遥かあとに必ずしも3楽章が来るわけではない、という「時系列の崩し」を仕込んでしまったわけですから。


なぜふたりの「B」のこの2つのソナタなのか?

その件はまた話が長くなるので別の機会に。

しかし、ブーレーズ『第2ソナタ』がベートーヴェン『ハンマークラヴィーア・ソナタ』を下地にしたという逸話はもちろんここで大きな前提としてあります!


とにかく今回は徹底して「形あるもの・形式」に真っ向から対峙してみようと思っている🔥


個体(ソナタ)と分割可能なもの。


一晩のリサイタル。

前半と後半のプログラム。

1曲1曲の選曲。組み替え。配置。

4楽章でひとつのソナタ。

1曲内の幾つものフェルマータ。

分節と連続…


これらをとことん考え抜いた。

「100文は1聴にしかず」

かもしれない。ここは聴いて実感していただくしかないけれど、言葉でも諦めようとは今回ばかりは思ってはいないのです📝


「形式」に対して「非合理」なことについて💬


でも、どこまで行っても、ベートーヴェンとブーレーズ、クルターク、prof.福士則夫、ブクレシュリエフを溶け込ませようなんてそんな馬鹿げたことを画策している訳ではない🤣そうだとすれば、それは「非合理」でもなんでもなく、この世にもあの世にも無い話。

あくまで全ては「個別」であり、全ては、「棲み分け」であって、ここには「隔たり」がある。連続的に見えるものには、遥かな「距離」を測ってみる👀


たとえば

①地続きの間隙 について。

Beethovenはたびたび3度下の調への転調を通して何か事を起こす!💣


このハンマークラヴィーア・ソナタも、ご存知の通り「3度」がキーワード🔑

1楽章出だしを聴いたらすぐわかる!


2楽章のテーマd-f-f-d(ラストの終わりにも)と3楽章の出だしのa-cis-cis-aは、音域が変わるので認識されにくいが、実は「同型」として連続性を感じさせる👀

しかも、このBdurの2楽章の中に平行調のgmoll版で3楽章の旋律が隠れているとしたら…なんて、興味本位の「宝探し」にもいっとき走ってしまった💨(画像)

そう思えば、3楽章出だしのa-cisの3度進行の1小節だけが後からBeeによって付け足されたという逸話は、この2.3楽章のテーマの連続性を感じた場合は、不思議にかんじてしまうもの。


しかしここは、演奏家の解釈による🤫


「3度」進行はハンマークラヴィーア全体に散りばめられながら統合するキーワードなのだけれど、この一番劇的な3度下行の転調は、2楽章のBdur→3楽章のfismoll!!✨


ここに、私は「地続きの間隙」を仕掛けた!

その距離は、前半-後半に跨がる。


またもうひとつ!

4楽章のあの有名なフーガの前の序奏との間の「間隙」にも、実はa-fへの3度下降が潜んでいる❗️


なにしろ、この4楽章冒頭たった1ページに起こるあの巨大な大転換は、人間にできうる人工的な縮約劇場の可能性がうんと詰め込められているのだから>_<✨


そして、3楽章のあの驚く嬰へ短調のfis→4楽章冒頭のf音への半音の滑り込みの「地続きの間隙」!


この一瞬の間隙にこそ、嵐🌀の象徴のブクレシュリエフ『群島Ⅳ』と、持続🌊の象徴のブーレーズ『第2ソナタ-緩徐楽章』を挿入した…


もうこれは本当に「賭け」以外のなにものでもないのだけれど、人間の記憶力と実感あるいは興味の「持続」への挑戦です!😤


後半プログラムのこうした「地続きの間隙」の数々を通して、実はここではベートーヴェンとブーレーズのそれぞれがくりだす「持続の形式」トロープ(大変奏)のあり方を実感していただけたら幸いなのです✨


そして、ベートーヴェンのフーガへ。

とこうくる。

私、生きて帰れるのかなぁ😇


さて

②間隙の地続き について


もちろん、聴く方々によっても無限の「読み・聴き」が可能なわけですが、ブーレーズのこの4楽章ソナタのうち、1と3楽章、2と4楽章が音列がほぼ同じ音列で始まり、1と3楽章なんてd-a-dis-gisのテーマはまるではっきり聞き取れ認識できる同じテーマです!


dから始まる1.3楽章に、いづれもfisから始まる2.4楽章、この3度音程の連なりに何かありはしないか…?

とか、いやいやそれは少々穿ちすぎかもしれないけれど😅


そんなことで、このひとつおきセットのこの楽章間に、これまた「間隙」を設けたこの【その1】プログラムで聴いてみるとどうなるか?

私自身も楽しみにしています✨

ブーレーズが2.4楽章で仕込んだ意外なる明確な「シンメトリー」構造がどう機能するのか?🧐


「回帰」なのか「不可逆的展開」なのか、このブーレーズのパラドックスには常に刺激を受ける。


控えめに言って…


「美しい茂み」です🌳✨


そして

③間隙と地続き

しかし、こう①②③と分けるまでもなく、どうとでも捉えられるのです。

しかし、ベートーヴェンとブーレーズのこのソナタで実は意外な共通点があるとすれば、1と4楽章にトリルは登場し、2と3楽章にトリルがまったく現れないことです!


トリルの表現は、今の状況の打開、粉砕を企てるトリガーでもあり、行き先を不明瞭にさせる知覚にかかわる武器にもなる💡


そして、「フェルマータ」のサイン✍️。ブーレーズの第2ソナタ譜面には細かいフェルマータだらけだ。「停止のカーヴ」とブーレーズが名付けるもの。ベートーヴェンは、第2テーマやコーダに入る前にフェルマータで「分節」を謀る!


しかも今回、ベートーヴェンのcantabileこそ究極の「間隙」の表現だなって、骨身に沁みている30代半ばの2023年の夏…☀️


「間隙」によって、「地続き」が生き生きしてくる!


あぁなんてことだ!

すべてを語る事はむずかしい-impossible-!


練習しよう😊



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