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  • yumiko segawa

《250年目のtell me…「B'」★その3》Boulez : Sonate No.3 📖


《250年目のtell me…「B'」★その3》

できる限り毎回生まれ変わりたくて…

順番をぐるぐる回して…いろいろ試して…

…でも、それでも、また、ふたたび夏のあのレコーディングの順回りに戻ってきた🙋

Boulez : Sonate No.3 📖

Formant 2--Trope (トロープ)

Formant 3--Constellation (星座)

(※今回は譜面通りの逆向きConstellation-Miroir (星座-鏡)ではなく!)

言うまでもなく、このソナタ第3番は可動性、可逆性を内包する譜面。

広げると縦40cm、横78cmの巨大な厚紙。持ち運び、保管用に黒いナイロンのキャンバス入れを入手👍

譜面の断片は、視覚的にも縦も横もきれいに揃ったレイアウトで、

「 ここ→ここ」に進行する際に、実際には「こうもありうる」断片が、視覚上一目瞭然に飛び込んでくる!!

例えば、実際に選んだ道順は、過去に戻りつつ、「こうもありえた」を返し縫いを内包するようなもの。

直線なき、進路。

Constellation(星座)といっても、星の数だけ順路がある訳でもなく、「矢印マーク通り」、「全ての断片を演奏すること」、をすべて満たそうとすると、かなり、あちら(Boulez)の意図を感じざるを得ない。

--カフカの「巣穴」で、あの迷宮を管理できるのは、お主のみ!

というところだ。しかし、今のお主は弾く私ヽ(・∀・)ノ

割と順路は色々試したので、今回、今現在のベスト進路で臨むことに👍✨

自信をもってConstellation、星座を布置しよう!!

そして、トロープは

・テキスト

・コメンテール

・グロース

・パレンテーズ

の4曲がある訳だけれど、テキスト以外の3つは大体「注釈」といった意味合いで、ブーレーズ流の「装飾」を見せ場になっている。

始めに示される4つに分割された12音列のテキストが、様々な関係性を結びながら、「交錯、即効流れ星」を多種多様に入れ込んでくる!

大体、

テキスト→解釈

と行くのでしょうが、私は一番複雑なコメンテールから始めたい。「だんだん複雑になっていく」という行程には、ちょっと抵抗したくなってきた🤼

何てったって、8通りあるのですもの🙋

このソナタ第3番はあの1950年代の1つのインパクトあるドキュメントとして、その名の通り、時代に「布置」された感があるけれど、これはやはりドキュメントで終わらせられない、鳴らされるべき生きたピアノ曲の傑作だなぁとひしひしと感じています。

このBoulezソナタ第3番は、私なんぞが言うまでもなく

---『管理された偶然性』ということでなら、私も「偶然性」の議論の中に参画しよう!(できる!)

といったところとして周知されているわけですが、音の内容がどうでもいいわけでは決してなくて、やっぱり、ソステヌートペダルの屈指から、醸し出されるピアノ残響マジックは、ただただ美しい…。

美しさあっての、野蛮さ。

抜けられません、ブーレーズの魅力💗

細々したことは割愛するとして、ちょっと今回は舞台裏を😹

この曲は暗譜する訳にはいかないので…

ソナタ第3番を演奏する際には、いつもアナログな譜面づくりに勤しむ私。

弾く断片の順番を選んだら、譜面をコピーして切り刻んでB6の紙に順に張り付けてレイアウトし直す…(^_^;)

ってこれは実は、ピエール=ロラン・エマールの方法をこっそり採用させていただいたもの😊

エマールのソナタ第3番のブーレーズのレッスン風景はこちら↓

ここでブーレーズ先生がお持ちの大変便利でスマートなロール譜面!!…Je veau …笑

にしても、勿論この作品は視覚的な要素が強く演奏行動に影響する訳だから、こんな切り刻みは一種の反則行為かもしれない。

でも、大きな譜面を使うなら、譜めくリストと一蓮托生だ。とってもリスキーな共同作業、舞台上であらゆる失敗は私本人だけで全部背負いたいもの🤕

ということで、ひとりアナログリサイタル、今回はipadもなし。

舞台上、人間ひとり。劇団ひとり。

お客様、はんぶん。

ソナタ第2番がある種のアントナン・アルトーの自作朗読の音楽的等価物というのなら、

ソナタ第3番は、ある種のステファヌ・マラルメの『賽子一擲』の音楽的等価物…。

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