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  • yumiko segawa

別様の作動2 in 1 in 2 ★その4★ 不条理劇場のこの譜面、星谷丈生のピアノソロ曲『四季』



★別様の作動2 in 1 in 2★ その4


こんにちは 星谷丈生さん⭐️


待ち合わせの約束のお時間に、ふと

「乗り遅れ …

と尻切れトンボのメールが来たので、全然OKです😉ってお待ちしていたのだけれど…

なんとそれから突然、音沙汰がなくなりました!


「これはまた、まさかの⁈😱」


そう、星谷さんには「飛躍🪽」が付きものなのです!!🤭


皆さんには信じてもらえないかもしれないけれど、星谷さんの目の前には、突然「星空」行の列車か「谷底」行の列車🚃が現れます。

ちょっと気をつけてあげないと、星谷さんは疑いなく乗ってしまうのです🤣

都営「浅草」線と「荒川」線の混同を越えて、この方は「アラスカ」に向かって海を越えていく・・・🌊

これは、いろんな場面でほぼ実話なのだけれど🤭たぶんアタマの中もきっとそうだからそう見える!笑


そんな訳で、冗談抜きの不条理劇場のこの譜面、星谷丈生のピアノソロ曲『四季』を非常に楽しんで猛暑も格闘しております🤗✨


5年前にこの譜面に出会い、

1年以上前にしっかり話を伺い、

11ヵ月前に軽いリハ、

そして

半年前のこの7月末に2回目のリハ


そう、これから約半年の来年1/27が本番。


要するに、この『四季』に挑戦する覚悟が固まるまでに4年の月日が掛かりました。


悟りを開いていらっしゃるかと思えば、かなりポカポカしていらっしゃり、のんびりしていらっしゃるかと思えば、「F1」好きの、駿足が持ち味の!?ちょっと、まだまだ掴みきれない作曲家です😅


1960年代のジョン・ケージの『Notation』の本を眺めていたのがこの曲の発想の元と聞いているけれど、今はソフトで譜面を創る時代。

令和の今から見ると、これらは「懐かしい」産物なのでしょうか…?🫥


今、「書かれる」ことと「書かれない」ことのあいだについて、譜面自体に介入しようという意欲はあまりお見かけしなくなった気がする🤔


今回の私のリサイタルでは、そんな中間領域に生息する「譜面」を持つ作品もところどころに散りばめました。


★ルイ・クープラン:「フローベルガー氏を模して」プレリュード6番 


★ブクレシュリエフ:群島Ⅳ


★クセナキス:霧(中間部)


そして

★星谷丈生:四季


(・リズムに、小節線すら書かれていないのがルイ・クープランのノンムジュレのプレリュード。

・曲の進展に、はじめも終わりも指定されていないのがブクレシュリエフ作品。

・大まかな枠組みがありながらも、その間でリズムが浮遊状態で手渡されるのが、クセナキスと星谷さん作品)


さて、この如何にも幾何学的なこのコンピューターで創られたような星谷さんの「拡大譜面」ですが、実ははじめ、方眼紙で手書きで丹念に書かれたようです✍️

…湯浅先生の、あの手書きのグラフ📈も有名。


それが清書されてこのような姿に。

花曜社から出版されている。


「ピアノ曲の歴史って、実はピアノ以外の楽器を模倣することから始まったのではないかな?」

と、星谷さんは語り始める💬


確かに、ルイ・クープランもリュートの模倣がこのチェンバロ曲にetc.


星谷さんは、とっても軽すぎるタッチでも音が出てしまうキーボードを弾きながらこの曲を作曲されたらしい。だから、豆粒の「出来損ない」のような音がびっしりと詰め込まれている。しかも1拍分に😵‍💫ピアノで弾く時は、些細な音から激しく凶暴なfffのトレモロまで、豊かすぎる。


the ピアノを想定していないというより、出来上がってくる音響やら作法が、まるで、ピアノ離れしている😂


ピアノを弾きながら、ピアノじゃないもので溢れてくる可能性にいちいち立ち会っています🫧


複雑さ=豊かさ なのだ✨


虫眼鏡で覗くと、1拍ってこんなにびっしりなんだって気付くイメージかな。小さくなってしまったアリスが、目の前の全てが大きく見えるように👀


何かと例え話から入らざるのを得ないのがこの楽譜。


クレーの『造形思考』に、ヴァイオリニストのクレーらしく、J.S.Bach:ヴァイオリンとチェンバロのためのSonate6番 BWV1019の4曲目、adagio楽章を造形的表現に移し替えたものがあるけれど、もちろんこれをすぐに想起してしまった私。『四季』の譜面見た瞬間にそうだった。


だけど、星谷さんはクレーのこの造形思考をご存知なかった😳そういうことは、よくある🤫


クレーは星谷さんと違って拍節である強拍と弱拍への意識がずいぶん重みとして画面上に表現されている。


でも、とにかく音符🎵のお玉杓子でなく、音価をこうして視覚的に測定した見えかた、これはとても星谷さんに共通している。


垂直と水平のことが、あらゆる知覚に関与してくる。

というか、予備なしに、奏者に、聞き手に、差し込んでくる…😆


★垂直・・・ジャコメッティの、この世で最も緊張感持って垂直で生きるあの人物「像」を思わせる縦の細い黒い棒。🧍 これは、他の何よりも目立たせなくてはいけない音。


★水平・・・横たわる「層」状の長方形の白、灰色、黒い帯。🛏️ これは、和声的な層で、上記の細い黒い棒とはちがって、緊張よりも基底部。


最後は、仰向けの女性像(水平)の存在↓(violaの映像を想像してる💭)が、優勢になってくる。

とっても「静」に向かう部分で、しかも、低音部2オクターブに渡ってソステヌートするから、ハーモニクスで最後5分強?はずっと音響が神秘的オーラに包まれる🫧


あぁ、、

Bill Viola : Tristan’s Ascension



の、神秘的な映像を重ねてしまう、エンディング。恐らくこれは私の勝手なかんじかた。

気泡の渦の中で、上昇していく…


四季はまた巡るのか、いや、それすらも問わない「四季」、、、、かな


◆プログラム◆————————


【その1】vol.9 10月14日(土)

「双生の場所」:B×B…地続きの間隙・モザイク・透過」


・クルターク:8つのピアノ小品 作品3 

・ベートーヴェン:ピアノソナタ第29番 変ロ長調 作品106「ハンマークラヴィーア」から第1.2楽章

・ブーレーズ:ピアノソナタ第2番から 第1楽章

・福士則夫:とぎれた記憶(2000)

・ブーレーズ:ピアノソナタ第2番 から 第3.4楽章

     ・・・


・ベートーヴェン:ピアノソナタ「ハンマークラヴィーア」から第3楽章

・ブクレシュリエフ:群島Ⅳ(1970)

・ブーレーズ:ピアノソナタ第2番 から第2楽章

・ベートーヴェン:ピアノソナタ「ハンマークラヴィーア」から第4楽章

——————————————————————


【その2】vol.10 来年1月27日(土)

「植物的で不可思議な」:to B 個体・ほころび・創発」


・ルイ・クープラン:フローベルガー氏の模倣による前奏曲

・クセナキス:霧(ミスツ)

・バルトーク:戸外にて 

・J.S.バッハ:イギリス組曲 第3番 ト短調 作品808

・シェーンベルク:3つのピアノ曲 作品11ー3

     ・・・

・星谷丈生:四季 -ピアノのための-(2016)

・ブーレーズ:ピアノソナタ第2番(1947-48)【全4楽章】


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