暗い曲に惹かれます✨
今日はこの2曲。
除夜の鐘の鳴る前に、
今年も大小様々に、見えないところも含めて沢山の懺悔です🔔😌🔔
10/14 のリサイタルでのアンコール曲、そして先日日本アルバン・ベルク協会さんのコンサートでも弾き歌いさせて頂いたバッハ『マタイ受難曲』より「Erbarme dich, mein Gott」(神よ、憐んでください)をアップします。
この曲は私なんぞが言うまでもなく、第一の弟子であるペテロでさえもイエスを否認し裏切ってしまったという、あの深い懺悔の曲。。。
ペテロって声域はバスなのですよね。
でも、決してこのアリアはペテロ1人称で歌われない…😢マタイ受難曲ではアルトが歌い、ヨハネ受難曲ではテノールのアリアに。
ペテロ1人だけのことでなく、まったく他人事にしないバッハの心の広さも深さも感じるけれど、これはある意味厳しさでも・・・
作曲された内容は、その作曲家の「選択」に大いに表れる気がする。
ここで、もう一つの慟哭の現代曲を思い出す。
↓
「生まれてこなければ本当は良かったの…?」
これは、“中谷美紀 with 坂本龍一”名義の1997年の『砂の果実』からの歌詞の1節。
小学生ながらにこの暗い曲に惹かれていました。
だから、私の中での坂本龍一さんとの心の思い出は実はこの1曲😇
売野雅勇さんの傑作すぎる歌詞の意味を巡っていろんなことが言われてきたようだけれど、やっぱりこの「暗さ」にかけた坂本龍一の旋律に、今はたと気付かされています。
バッハの「Erbarme dich」のあの有名な旋律は、短6度跳躍してから下降してくる。
この音型は悲しみを表すときの「感嘆」のフィギューラとして、バッハに限らず、当時のドイツ音楽で共有されてきた心の音型。
これが、ひょっとして1997年の「砂の果実」にもちゃんと息づいていないだろうか?🤔
坂本龍一さんも、サビの「生まれてこなければ本当は良かったの?」の旋律に
Cis-(gis)-a →短6度跳躍
a-gis-fis-e-e-d-cis →下降音型で返ってくる
を使っている✨
結構バッハ以上にこの感嘆フィギューラ使っていることに気づいてまたドキドキしています。
坂本龍一に連鎖して宿るこの「懺悔音型」。
人間が作り出したものは、きっとどこかから降ってきたものなのかな。
「フィギューラ」探しに明け暮れすぎているのも本質からズレる気がしていた時もあるけれど、
どうやらこれは「頭」の世界ではないみたい。
今、私の中でキーワードは「心」。
あとは、Bach音型のウェーベルンのマトリックス音型に繋げたい。
FさんとBさんの2人の作曲家のこと。
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