衝撃の作品・演奏『自動演奏ピアノ、2人の打楽器奏者、アンサンブルと電子音響のための協奏曲』

October 9, 2019

 

久しぶりに国立音大へ。
凄い作品というのは、2回目に聴いても、また、ある程度中身を聞いたところで、更に“驚き”が増すもの。。。ヽ(・∀・)ノ

今日は、夕方から作曲家:川島素晴先生が主催の作曲専修学生対象・一般公開の「ワークショップ」へ。今回のゲストは作曲家の北爪裕道氏。

...

8/31 芥川也寸志サントリー作曲賞選考演奏会で、衝撃の作品・演奏『自動演奏ピアノ、2人の打楽器奏者、アンサンブルと電子音響のための協奏曲』を聴かせてくれた恐るべき才能の若コンポーザーだヽ(・∀・)ノ

--あのとき、何がすごかったのか?

8/31は、色々分析して聴いていく暇もなく、目眩く裕道氏の仕掛けにあっという間に、しかし爽やかな自覚のもと連れ去られた感覚でした。

私は、vitra(スイス・バーゼル)でもそうだったけど、ある種の音楽や歪み建築に本当に目眩を感じることがあるけれど、それが、彼の作品では、ない。個人的に、北爪くんの音楽から受ける印象が、複雑でありつつ、繊細さと爽快さで爆風で突き抜けるのに、息切れしないおおらかさがあった。変化する変わらなさ、?!

「リピートが詰まっていくと、音色になっていく・・・」

「イレギュラー状態 = 荒れる → 新しいものが生まれてくるトリガーに、、」

裕道氏語録は、なかなか面白い言葉が多く、実験を重ねて得た、明確な生きた感覚言語だった☆

とにかく、サントリーホールいっぱいに鮮やかに聴かせた無限を感じさせる多彩な音色、リズムバリエーションと、あと、「持続力」。

----予測不可能なイレギュラーな波を、細かい動きを保って、、、細かい動きのバリエーションを考えていく。
その彼の作業の延長にあるものが、どうもわたしたちが呼んだ、裕道氏の「持続力」の正体らしい。

今日、贅沢にも私たちは再びあの演奏を聴かせてもらえました☆

あぁ、そうか。とんでもなく大きな呼吸があることを感じた。
様々な出来事の細切れなモンタージュに終われば、それはサントリーホールという、あの大きな湯船をすみずみまで体感的にも揺り動かすことはなかったように思う。

---連続と不連続の観念は、実際には切り離され得ないことが理解されるのである。---

というブーレーズの言葉も、北爪氏の「持続力」の中で、私たちは知らず知らずのうちに実感してしまったのではないでしょうか。

その時の道草として(?)、今日のレクチャーでは、その“持続”のアナロジーとして、チャイコフスキーの「ロミオとジュリオ」のある一節を紹介してくれました。

しかし、決してチャイコフスキーのこの曲の方向性からインスピレーションを経て自作のアイデアになった訳ではないと(^_^;)

そう、彼は直感から始まっている。

北爪パパ先生からの直接の影響すらも本人の自覚にはないとの…苦笑)

あらゆる父(パパ)の影響を、語ろうとしなかった、明確なパパの自覚を持たない、という裕道氏のその切り口は爽快だった。
が、
そんな自信も、まだ見果てぬ電子音響への「夢」を語るようでいて、とても実利的な彼自身の地道な実験によって顕現してきたことによっていることも、今日のレクチャーで十分伝わってきた。

アタックの種類の研究、
複数のリズムパターン、
多層的モンタージュ・・・

恐らくIRCAM創始者でありながら、ブーレーズの影響を直接に意識はされていらっしゃらないのかもしれないけれど(^^)

個人的にはブーレーズの電子音響についての論文『豊穣なる国の果てで(パウル・クレー)』の、文だけではピンと来ないところをなんとも丁寧に実践で紐解いてくれたようだったヽ(・∀・)ノ

もちろん、電子音響のための1つの道筋ではあるのだろうけど、ブーレーズが電子音響の論文の中で言っている色々な「罠」を、裕道氏はあっという間に潜り抜けて、突き進んでいるのではないか、ということ。

新たな「持続」や「音色」の生命体。

---電子音楽のみが、これらのリズム的変容の「限界」へと突き進むことができる…また、そのような作曲書法の原理は、楽器による音楽に適用されることができるからである
by Boulez ---

なんだか湯浅譲二先生が歩まれてきた道筋にも通じる気がする。。

さて11/1(金)のオーケストラプロジェクト2019では、北爪裕道氏、『自動ピアノ、打楽器とオーケストラのための協奏曲(初演)』を、今度は電子音響なしで、スピーカーの拡張機なしで、いよいよ3管編成のフルオーケストラで聴かせてくれるらしい。

サントリーホールの湯船をうならせてから2か月後、オペラシティのコンサートホールはどんな音響体になるのだろう(ノ´∀`*)

ここは、じっくり未来を見据えて立ち合ってみたい。

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