《250年目のtell me…「B」通信★その1》
だいぶ全体が見えるようになってきたかな。
それにしても、最近とても寒い。台風が寒さを運んできたかな。Coming soon!! 霜月立冬の11/7🍂に向けて~
Boulez: 12ノタシオン , Sonate no.1 📝
1945年に書かれたというのだから、ナチスに占拠されたパリで、防空壕にでも入って落ち着かない状況下で書いていたのだろうか…って想像したものです。でも、1944年から1945年にかけて、特にブーレーズの中で一時も止まった時間がないように思える。最近、彼のその「前・後」を聴いて驚かされました。
"B"はいつだって光のように速く、鋭く、見逃さないんだ…✨
最初に譜面を見た瞬間、音源を聴いた瞬間から、その衝撃度が今の今まで継続している🏃
命題は、
《爆発=固定
Explosante- Fixe...》
連続性⇔多様性
ノタシオン⇔ソナタ
想像力⇔サンプル
ブーレーズの12ノタシオンは、12曲全部12小節!12音列がはっきり見えて、かつその効果が計り知れないのと多様さと。後々までこのノタシオンの要素がグツグツして、彼のタンクの中にずっと生き続けていたのは、後年に発表されたオーケストラversionを聴けば明らかに。
Sonate no.1になると
ブーレーズの音列システムは、ウェーベルンのピアノのための変奏曲op.27のように分析することで気持ちのよい解答が出るものではナイ…(>_<)
だからこそ、凄く理論固そうに見えても蝶番がどこでも緩いか取り外し可能になっているから、ブーレーズはたくさんの逸脱への繁みを用意できる✨
2mov.の出だしは、かなりぴったり音列が当てはまる。なかなか気持ちのよいもの!そぅか、逆行との組み合わせのカノンか…と思いきや、いえいえ、どんどん細胞化が進んでバラバラに・・・。
でも、分割された音列はキャラクタリスティックに保存されてどこでも息づいている!!それはとっても弾く上でも聴く上でも目印になるはず🙌✨
3音密集のg-a-as…
ブーレーズ特有の「密になる」あの感覚は知らず知らずに我々の身体に浸透するもの。まず1mov.はじめの5音。fis-d-f-es-eの長3度内の密集の作用を、ブーレーズはことごとく散開させるリズムで、配置する。
この5音感じるだけでブーレーズがしたいことを体感できる…。
「凝縮」、「爆発性の保存」、そして「響きの散開」。響きも配置も、「散開」してもそのまま広がらない感覚がすごい。絶対どこかで強い手綱を引っ張ってる何者が内部にいるのかなっていう感じでしょうか!
いつでも爆発は、あらゆるところで起こる可能性を秘めている。準備は、知らぬ間に、我々の耳に、身体にはじめから仕掛けられているのだ…💣
Are you ready?
って聞かれる前に…!! 私にはいつもそう思えてなりません😂
一番恐ろしい瞬間は、この音楽が黙ったときかもしれない…
あとは、コントラスト!
書法もそうだけれど、身体的にも音色的にもあまねく全体に作用するのがブーレーズ一流のコントラストの演出ではないでしょうか。
もう私はこの曲では2つの楽器を扱うんだ🤼という気持ちで弾いています。
それは、ピアニストのCharles Rosenさんも言っているところ。
それは、ツェンバロンとヴィブラフォン。私の中での別名は、ズバリ「弾けるポップコーン」と「とろけるお色気アメーバー」!!🙋
「響きが濁ることを許容する」そんなことを始めたのは、Beethovenだった!なんて野平一郎先生も力強くおっしゃるけど、きっとテンペスト1mov.のあのレチタティーボに、英雄symphonyの再現部の始まり!?
とにかく、ブーレーズはペダル踏みっぱなし、濁ることを許容する!!
濁ると言いましても、とっても美しく、セクシーに濁る✨笑。ブーレーズが12音を並べてもどれも美しい…それは誰もが頷くところではないでしょうか。それはやっぱり音域配置と絶妙な入り、リズム配置による…。彼はペダルのストップマークを、とにかく、ここではほとんど書かない。
これは、ソナタ1番の2mov.途中を聴いていただきたいです。
こうしたことはノタシオンでも片鱗が現れている!!
ペダル革命、これだって重要な要素。
ピアノの狂気の楽器に変貌させるために、彼は表面的なことに収まらず、書法から、我々の無意識、身体の領域に迫るまでに仕組んだ。
Absolute Revolution for piano!!🤸✨
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