思い切って、トッパンホールでのライヴCD、リリースします!(10/11発売)
《アフロディテの解剖学 Anatomy of Aphrodite --切断・解体・再構成--》 ~瀬川裕美子ピアノリサイタルvol.6&7ライブ~ Segaway-project パウル・クレーリサイタルpaul klee recital『肥沃の国の境界にて』に続く第2弾、酷く拗らせた、素敵なCDが出来上がりました!ヽ(・∀・)ノ... (この秋、文化庁芸術祭(レコード部門)参加作品に☆)
2018年vol.6『ドゥルカマラ島』と2019年vol.7『オルフェウスの庭』、この2つのクレーリサイタルから1つのCDへ、切断・解体・再構成した、まさにクレーの『アフロディテの解剖学』の作品が出来あがる道程、手作業をそのままに、制作へ反映させてみました(・∀・)ノ
このヒドク拗らせたコンセプトに最後まで懲りずにご理解頂き、熱いご協力を頂いたSegaway-project恩人スーパースタッフに感謝申し上げます。
大学卒業後に起業され、在外中からずっと頼もしい兄さん、トーンフォレストレコード社長、色々ぶつかりながらも(笑)、私の無理難題を結局は広い心で受け止めてくださる寺師寛紘さん。 そして、2016年~3つのクレー企画リサイタルと2枚のCDのデザインを担当くださり、今や暗黙の了解どころか私の要望の遥か先を行く、クレーの内奥にまで迫る思考で作業頂いた同い年デザイナー山入端祥太さん。これはちょっと本気の芸術祭の仕込みのような…感動的な30代の青春手作業でした。 いつも最後の最後まで納得のいく音仕上げを拘り抜いてくださる音響の小川洋さん、
そしてライナーノートでは、クレー思考に、答えを与えずそっと問題提起してくださった、小沼純一先生。小沼先生が、早世されたクレー研究者:宮下誠さんの文を引用してくださったことも、感動的でした。
---クレー自身、その制作当初から「なにを描こう」と思って描いたものは少ない…--- (宮下誠/『パウル・クレーとシュルレアリスム』水声社)
そして、画像提供いただいた宮城県美術館など、ご協力いただきました皆様、本当にありがとうございました!
さて、肝心な収録曲は?!
・・・ program・・・・
・J.S.Bach:オルガン・コラール《汝の玉座の前に今や歩み寄り》BWV668
・ピート=ヤン・ファン・ロッスム Piet-jan van Rossum : amour (2018) -世界初演-
・Stravinsky:ピアノソナタ (1924)
・鈴木治行:Lap Behind - 委嘱新作(2017) -世界初演-
・Mozart:幻想曲 ハ短調K.396(断片)(1782)
・Xenakis:ヘルマ -ピアノのための記号論的音楽 -(1960~61)
・近藤譲:三冬 - 委嘱新作(2019) -世界初演-
・J.S.Bach:パルティータ第6番 ホ短調 BWV830
<encore> ・Boulez:12のノタシオン ~ 第2曲
・J.S.Bach:コラール「われらの苦しみの極みにあるとき」BWV432(弾き歌い)
・・・
最初と最後はバッハの同じコラール旋律に纏わる作品で結び合わされる。
今回、ライブレコーディングのリリースに踏み切れたのも、世界初演させていただいた委嘱作品の作曲家の先生方が、ライブのこの演奏をそれなりに気に入ってくださったから♪ 近藤譲先生、鈴木治行さん、そしてお二人の友人であり、お互いを讃えあう、オランダの作曲家ロッスム氏の新作。 世界初演からまだ半年、1年ほどしか立たない出来立てホヤホヤをぜひ(*´∀`)
さて本CDは、小沼先生がそっと書いてくださったように、「演奏から解釈へ、すこしだけ、重心をかけかえ」た感じかな。CDの制作自体にこんなに拘ったのも、はじめての試み。ちょっとドキドキしている。 なにせ、『ドゥルカマラ島』と『オルフェウスの庭』から、『アフロディテの解剖学』が生まれるとは、自分でも最初から想像だにしていなかったことだから。
---「非常にアナログな素材をデジタルな手つきでドライに切断、操作していく。…そこに立ち現れる音の歪みは、官能的と思わないか」 鈴木治行さんの『Lap Behind』のためのこの言葉は、正に『アフロディテの解剖学』のためにあるようなもの。 クレーは、出来た作品を敢えて切断し、また新たに驚くような術で繋ぎ合わせて違う作品をつくりあげてしまう。 そういう意味では、クレーの作品態度には、終わりがない。 お陰様で、私も今回このCD制作で、終わったはずの収録されたライヴ音源がこんな形で新たな生命を持って再出発できることを嬉しく思っています!(ノ´∀`*)
そう、この絵は、知る人ぞ知る、少々妖しい、恐ろしい内容ともいえる… ^∀^) その名が示す通り、 「アフロディテの解剖学」 細部を覗きたければ、どうぞ😁
とにかく、この「切って、繋ぐ」という・・・ 高山宏さんをかじって、影響されたとすれば、これは、「マニエリスム」といった方法なのかもしれない。 クレーに憧れるということは、マニエリスムに憧れること?! 結局、Segaway-projectでは、いつも、あり得ない組み合わせがあり得てしまう世界に、導かれています。
今回、この2つのリサイタルの肝であったブーレーズは、アンコールの1分未満の瞬間しか顔を出しません。 まさしく、「中心かつ不在~the absence of Boulez~」
vol.8・・・ ブーレーズ / ピアノソナタ全曲リサイタル&レコーディングは来年に予定しています!
・・・ 2019年10月11日(金)発売 トーンフォレストレコード TFCC-1903 定価2,000円+税
各レコードショップ、Amazonなどオンラインショップ等で予約受付中。 (トーンフォレストレコード オンラインショップでも近日予約受付開始)
9/28(土)リサイタル@サロン・テッセラ、受付にて先行販売致します!(・∀・)ノ