スイス 2 Basel-Paul Sacher Stiftung and Bern
バーゼルのパウル・ザッハー財団へ📚
心震える“Boulez再検討”の手掛かりに出会えました✨パンドラの箱を開けてしまったかのような…
今やこのパウル・ザッハーについて、この財団について私から説明することもないかもしれませんが、一度は必ず訪れたい20世紀以降の現代作曲家の自筆譜資料などが山ほど眠っている巨大アーカイブセンターです!(こちらについては浅井佑太さんの面白い記事を見つけてしまいましたので添付しておきます)http://mercuredesarts.com/2019/11/14/special-tomato-eater-basel-report-on-visit-to-the-paul-sacher-stiftung-1-asai/
音楽学の皆さんにとっては月、年単位で立てこもった悲喜交々の思い出の聖地でいらっしゃることと思います☺️
数年前に、saxの佐藤淳一さんが「誰でも予約できる」と教えてくださってからずっと機会を狙っておりました。
ブーレーズのピアノソナタ1.2.3番のスケッチ類をリクエストして参りましたら、優しいフランス人ライブラリアンの方が親切に対応してくださり、熱意倍増🥰✨
駅から徒歩15分位、バーゼル市立美術館の直ぐ近くで、大聖堂のすぐ裏手、木々の向こう側に
Paul Sacher Stiftung
の大きな看板がある訳もなく、ドアのサイドに小さな金の表札のみの、セキュリティー万全の木の扉が厳かに迎えてくれました。
ブーレーズの㊙️に触れるようで「こんなことまで見せていただいて良いのか…😳」というような驚くべき膨大な資料を出してくださり、発見の数々、“予感していたこと“が目の前に立ち現れて、打ち震えました。
とにかくマイクロフィルム🎞️の光学的拡大装置の前で限りない資料に食らいついた数時間。
しかしその装置のページ捲りの音が、何ともまるで毎回首が飛ぶような😱大きな残酷な音で、静かなパウル・ザッハー財団のお勉強中の皆さんの中に響き渡るのです。
その度毎度、ごめんなさいの思いで…でも、ページを捲らない限り未来はないから。
この強烈な、何百回の音と共に自らのうちに何かが、強烈に刻印されていくようでした。
実は今、密かに実現してみたいことがあるけれど、それが一体実現可能なのかどうか🤔その手がかりを掴みたくてやって来ました。いくつかのシナリオを胸に…ブーレーズのピアノソナタのスケッチといっても一体どんなものが出てくるかもわかりませんでしたが、やはりピアノは彼のピアノなんだ、そう思える重要な生き生きとした足跡でした。
このソナタに関しては譜面は頭に入っているので、草稿段階からブーレーズ自身の手で何を省き、何を付け足していったのかが直ぐに手に取るようにわかりました。
ここでは、撮影もコピーも一切禁止。
なので1音1音、しかも持って来た五戦紙をベルンの宿に忘れたので、五線から書きつつ、かなり原始的に絶対忘れたくないことだけは何とか書き留めてきました。しかし、勿論時間も足りないし後ろの髪の毛が全て抜けてしまいそうなくらい、後ろ髪を引かれて後にしました。
東京に帰るまでにはブーレーズと同じヘアスタイルになれるかもしれません💇✨
---あれだけ反復🔁を嫌っていながら、通奏低音のように執拗に響き渡る“これ”は何なのか?
完成版しか知らない状況にあっては影も形もないものだけれど、その痕跡はある楽章の最後にだけそっと残されていたり、または3番のソナタのsos.でのバス保留音になっていくものかもしれない。
---多くのPsalmodie
ブーレーズの作曲する前の心構えをそっと見てしまったかのような。
---「ウェーベルン:ピアノのための変奏曲」やquartetの美しい写譜の跡も
---詩篇のテキストか、歌詞付きの単旋律が、草稿の所々で出て来ました。声体のコラールのようなものが第2ソナタ前に書き添えられていたり。
3番のソナタが謂わばミサ曲の体をなしているようにも思えていたけれど、今やあながち決して間違いではない気がしています。
乱筆な自分のメモをゆっくり確認していく時間が必要だ💪
---「歴史を作る」意思と歴史自体が重要であるという事実は両立しない。歴史的運命を引き入れると見なされたいということ。
それは…同時に卵とひよこであることを願うことだ---
のブーレーズの言葉を今までより心の真ん中で受け止めたような出来事になりました。
これを何らかの形で生かさなければと、きっとパウル・ザッハー財団を出た方はみんな同じ気持ちでウキウキワクワク以上の気持ちを燃やして後にするのだろうな🧠🏃♀️➡️🧠
そして
バーゼルから夕方ベルンに戻ってから、夕日を見にベルンのグルテン山に上ってきました🌅
山といってもグルテンバーンというケーブルカーで頂上まで上ってベルン旧市街を、見下ろすことが出来るのです✨
いやぁ、しかしここは旧市街を見下ろすことどころではありません。。向こう側まで歩いて、向こう側の絶景を観にいかなくては…そう!ベルナーアルプス山脈の巨大パノラマを一望できるスポットでゆっくり日が沈むまで浸りました。
じっくり感動…
初めて会えたベルナーアルプス巨大パノラマ。
こちらは、その後2日連続でもっと近くに会いに行くことになります⛰️
日の入りは21時頃。
午前は雨で午後は晴れ間もありつつ雲の多い空だったので、はっきりは見えませんでした。
だけど、天空に浮かぶ突き出たシュレックホルン、アイガー、ミュンヒなど少し特定することができてそれはそれは圧巻でした。
ベルンは良い所です🥹
とても落ち着きます。
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