「接続」というか、「一転」というか…
Juneはドイツ圏に旅に出ています🐾
旅先で懐かしい・新しいひとびと、研究、演奏、展示、資料etc.との出会いを楽しみつつ…♬今はベルリンを出て初めてのオランダ・デルフトに向かうIC車内です🚄
だんだん限りないフラットな風景になっていく…
今回は数年前は何度も通り過ぎてしまっていたベルリンに降り立って、「重荷」を背負った“複雑な”街を寝食忘れて歩き回りました。
ベルリン中央駅近くのHamburger Bahnhofでは、若手アーティストの作品では「痛み」と「暴力」をかっこに入れずに露骨に訴える方法にそれなりに衝撃を受けつつも、キーファーの作品には目を背けたくなるような衝撃ではなくて、逆にこちらに静かに浸透してくるほどの細い光のようなものを感じたり。それでもテーマは子供の大量殺戮。
ボイスのインスタレーションも、ここならではだったので楽しみでしたが、「モノ」という慎ましい表現手段で、最大限に、世界の見え方の変革に関わっている姿に触れて、なかなか心が揺れました。
夜は2つの演奏会。
ベルリン歌劇場の奥というか隣接する元々倉庫だった場所に2017年にオープンした「ピエール・ブーレーズ・ザール」へ。
開場を1時間前にして30分前までステージを開けないことでほとんどの人がワイン片手に談笑タイム。
古い倉庫の改装の跡を隠す事なくそのまま使うフランク・ゲイリーの設計の
吹き抜けのレセプション。ガラス天井の光が差し込んで、バーカウンター天井までの大きな壁にはChristine Meisner Rivers and Rights, 2016が大きく掛かる。決して広くはないスペースを豊かに使いつつ、豊かに過ごす空間の配慮が行き届いていて、それを余す事なくお客さんにじっくり利用されてる✨
平日でも、仕事帰りに開演前10分前に駆け込んで鑑賞💨も一般的な東京のコンサートの感じは、空間が変われば時間感覚も変わるのかなと思ったり😊
舞台、客席可動式の円形のブーレーズが著作でも言っていた「あの形」が630席というこじんまりとした空間として実現されていました。
バレンボイム・サイード・アカデミー内でもあって、学生たちも多く、スタッフもとても若い学生さんだったり。一生懸命、他の人に聞きながらも笑、一緒に席を探してくれました😇
小気味良い楕円形で、恐らく私の席で感じたようにどの席でも公平に全身で降り注いでくるみたいな音響だったのだろうなと♬
この日は若手のLEONKORO QUARTETの演奏会で驚くほど上質で、多彩なバランスを聴かせてくれたので聴き入ってしまいました!
前半はあちら向き、後半はこちら向き、どちらも前後を感じませんでしたから、それくらい360度体感🌏
私は舞台から6段目くらいの所から近くから見下ろしている感じ。この列は、個別でなく長い連続したソファーのようになっていてクッションを抱えたくなるような☁️緩やかな座り心地。
上を見上げるとバルコニーだけれど水平ではないのです…渦巻き状🌀
Füchse Berlin ってベルリンのハンドボールよチーム名?また、「ここは私たちの領土」の言葉と。
これが書かれた緑の鉄パイプがブーレーズ・ザールの結構威厳ある建物の外に張り巡らされていて、なんだか内部の倉庫の感じが外側にも連結されたような、不一致さが面白かった…その不一致さは、この辺りに立ち並ぶシンケル建築でも感じたこと。
18世紀の新古典主義のドイツの建築家のシンケルと言われるけれど、どこか不思議だからちゃんと観察してきて!
と、信頼する方からのご助言を胸に心して見てきたところですが、特にノイエ・ヴァッヘのイオニア式の巨大円柱の正面からギリシャ建築なのだけれど、サイドがなんと煉瓦造り!
このギャップは何!?
仕切部分が細かい。
アルテス・ムゼウムも、ドーム型の天井から何層にも別の切り替しで仕切られた構造。その間に細かい装飾が。
凄い多調で不思議なめまい…
そしてベルリン・フィルシンフォニーホールで鑑賞出来たオネゲル『火刑台上のジャンヌ・ダルク』アラン・ギルバート指揮の演奏も忘れられません。
とても遠くの可愛らしい席しか取れなかったのですが、なぜか前列にお客様がいらっしゃらず素晴らしい眺めに聴きごたえに!
ジャンヌは赤。杉本博司の江の浦測候所の飛び降り舞台のような四角の舞台を中央に、バックに合唱、左右に色とりどりの服装の子供達が並び、照明も含め演出もとても効果的でした。
見たことをすべて書ききれないけれど、ホロコースト記念碑の目の前に宿泊していました。
石碑はお櫃のように並んでいて、どれとして同じ形も高さも幅も体積もないような、「石碑の林」を抜けるように、人間が誰でも通り抜けられる空間。
この石碑にリラックスして座りながらごはんを食べたり談笑したりする公園的なスペースになっていました。これがブランデンブルク門のすぐ近く。
不思議な大都市でした。
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